前回からの続き

  前回の前書きがずいぶん長くなってしまいましたがその後の前書きも長くなるかもしれません。前もってお断りしておきます。

  実は、今のラマ王朝(正式にはチャクリ王朝と呼びますがなじんだ呼び方のラマ王朝を使います)は前の王朝であったトンブリ王朝(1代のみ)の国王が精神の病で治世に問題が生じ、忠臣であった後のラマ1世が武力で勝ち取ったものであります。その時、トンブリ王に仕えた占い師がラマ王朝は9世で滅亡するとの予言をし、それによって殺された経緯があります。今、そのラマ9世の時代になっています。国王は1世から9世まで全て男です。8世は今の国王である9世の兄であったが政争に巻き込まれ若くして殺されている。このため、ヨーロッパに留学中の弟が急遽呼び戻されて9世国王に即位した。その時弱冠18歳であった。ラマ9世には上から順に長女、長男、次女、三女の4人の子供がおり、世継ぎとしての資格のある長男は存在します。

  国王は今、78歳ですので子供は全て長じており、3女が40歳代で後は50歳代です。長女は西洋人と結婚し、一男二女を授かったが離婚し、バンコクに戻っているが王籍からは外れている。その男の子は先年の津波のときプーケットで亡くなっており、女子2人が一緒に住んでいる。長男については後述する。次女は独身、国民からは次期国王としての期待が高い。各種の式典には国王の名代として出席することが多く、テレビへの露出度は圧倒的に高く、気さくな人柄に大変な人気がある。最近太目の体型が目立つようになった。三女は結婚暦があり、一女を授かったが離婚している。但し、王籍はそのまま残っている。現在は王宮に住んでいるが通い夫のような愛人がいる。テレビにもたまに映る程度で国民に対するアピール度はかなり低い。

   最後に長男であるがこれがまあこのという男である。結婚暦は3回、最初の奥さんとは一女を、2番目の奥さんとは三男一女、去年結婚した今の奥さんの間には生まれたばかりの一男がいる。最初の奥さんは王室の血統を引く女性でお世辞にも美形とは言えない。離婚した後も王宮に住んでいる。2番目の奥さんは元女優の美人であるが離婚後、一女を残し、3人の息子達と共に行方不明である。残った娘は何と最初の奥さんと一緒に生活をしている。

  今の奥さんはまだ20歳半ばの美人である。タイ人の間では2番目の奥さんと良く似ていると言われている。2番目の奥さんと別れた後、あまりにも長男の遊びすぎに懲りた国王がパイプカットを命じたと言われている。このため今の奥さんとの間の子供は冷凍精液による人工授精だというのが真実性の高い噂である。公務での露出度も低く以前のスキャンダルも影響しているため民衆の支持は低い。しかし、王妃は彼を溺愛しているおり、国王が次女を、王妃が長男を目に掛けている状況である。今回の国王即位60周年記念行事では長男がかなり前面に出て、国王への祝辞、各国王室のレセプション対応でかなり株を上げ、本人も今後の国王となるということに自覚したのかもしれない。ただ、占い師のラマ王朝は9世で滅びるという言葉は根強く残っているようにも見える。国民の中には王様は9世までで良いと話す人もいる。

次回に続く

                                          泰介の目次に戻る