【非常事態解除されました】

テレビの料理番組で腕を振るっていたサマック首相が出演料をもらっていたため、首相の兼業を禁止している法律に
抵触するとして、憲法裁判所から首相職の罷免の決定を受けました。
国民の力党（ＰＰＰ）は当初再度サマックを首相に推薦する予定でしたが党内部から反発があり、結局別の人を首班
指名することになりました。
現在、副首相のナンバー１であるソムチャイが首相代理として首相職を任じられており、彼が次の首相になるのでは
ないかと噂されております。
彼の最初の大きな仕事が昨日発表された非常事態令の解除だったのです。

実はこのソムチャイさん私も何回か会ったことがあります。
この方、もともと官僚で法務省事務次官を長く勤め、2年前のクーデターの時は労働省事務次官でした。
会社の顧問に日本の法務省に勤めていたＯＢがおり、彼と非常に親しい関係があるため面会時には私も同席したという
わけです。
温厚で優しいという印象です。
今年の総選挙に初めて立候補し、当選し、政治家になりました。
この人のアキレス腱は奥さんです。この奥さんなんとタクシンの妹なのです。
このため、反タクシン派は彼をタクシンの傀儡として非難することは目に見えていると思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　         　08.09.15　泰介

【民間人によるクーデター？】

本日朝７時から反政府政治団体の民主連合が、現政府総辞職を求めた集会は全国各地で行われているようです。
MBTという政府系TV（もっともタイには民間放送は無い）は、占拠され局外から放送しているとのことです。
また、総理府、財務省などのある官庁ビルとそこを管轄する警察は、その建物の周辺が包囲されているとの報道も
あります。

軍は当面静観の様子です。
但し、サマック首相が国防相を兼務しているため何時命令が出るか分かりません。
もし、軍が動くと流血は避けられないと思われその収拾はより困難なものとなるような気がします。

とはいえ、会社に来ているタイ人はその殆どが無関心で驚くというよりは呆れてしまいます。
一人だけ熱心な人がおり本日は休みをとって集会に参加してるようです。
今現在事務所周辺は全く平穏です。
前回、軍の行ったクーデターのときは翌日ゴルフに行っていましたが今回はおとなしくしているほうが良さそうです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　         　08.08.26　泰介

【タクシン亡命か？Ⅱ】

日本のメディアはオリンピック一色です。
でも世界は動いています。
タクシンは亡命でしょう。
タイもこれからどうなっていくのか。
カラコルムトレッキングでお世話になったパキスタンもムシャラフ大統領が国外に逃げ出そうとし、どうなるのやら。
彼らは国外へ逃げ出してもまったく困らない。
自由気ままに暮らしていけるでしょう。
北京オリンピックの真っ最中で、ロシアはグルジアを攻撃するし、新疆ウイグル地区では相変わらずテロがあるし、
胡錦濤国家主席が開会式で強調した「世界は一つ」の意味がどういうことか。
自分を中心とした世界、自身の繁栄が目的で周りはそのためにあるという考え方、それが危うくなればさっさと
安全なところへ行ってしまう。
それが法で守られている。
それに対抗するためにテロが起きる。

なんとも困ったもんです。
日本も含めて本当に国民のためを考える政治家がうまれてこないとこれから先、ひどいことになりそうです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　         　08.08.12　朝男

【タクシン亡命か？】

元首相で今でも低所得者層に絶大なる人気を持つタクシンが10日土曜日の午後北京からの帰国予定便に乗らず、
イギリスに向かったとのことです。
本日11日に予定されている最高裁政治家犯罪部への出頭をしないことにより、逮捕状が出されるとの報道があります。

彼は地位を利用した不正経済活動により訴追され、裁判所に出頭、許可を受け海外へ出国を繰り返しておりました。
今回も7月31日から8月10日までの出国が認められ日本で講演、北京でオリンピック開会式観覧の後帰国予定でした。
日本での講演は皮肉なことに「未来のリーダー像」という演題、主催者はなんと経団連会長の御手洗氏を塾長とする
「日本の次世代リーダー養成塾」だそうです。
タクシンが刑事訴追されているのは周知であり、中曽根が音頭をとって拓殖大学で講演させたりと日本の政財界の
KYもここまで来たかとあきれるばかりです。

7月31日、彼の奥さんが刑事裁判所で5億4600万バーツの脱税で禁固3年の有罪を受け控訴中し、500万バーツの
保釈金を払って北京に向かい夫婦でオリンピック開会式を観覧したようです。
タイ出国時、子供達が涙して別れを惜しんだこと、異常に多い荷物などから亡命は一部で噂されていたようです。
純粋の政治犯ではないためイギリスが受け入れるのは難しいので、金で受け入れ先を探すのではないかと思われます。
なんといったって、イギリスフットボールチームの名門「マンチェスターシティ」をポケットマネーで買うだけの財力が
あるのですから。

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