【バンコクグルメ】
ここ1,2年バンコクの食事が急騰しています。
街場の屋台は安いものの焼豚(串に刺したもの)は1本3バーツから5バーツへ、鶏モモを揚げたフライドチキンは
10バーツから15バーツに、ご飯の上にオカズを載せたものは20バーツから30バーツへ確実に上がりました。
鶏出汁で炊いたご飯に茹でた鶏を載せたチキンライス(シンガポール名、タイではカオマンガイと呼ぶ)も
20バーツから30バーツになりました。
このB級グルメは値上がり幅は大きいものの、所詮安いものですから我々の懐にとって大きく響くものではありません。
ところが日本料理屋というか居酒屋がとんでもない値段になっています。
数品のつまみをあてに飲んで、軽く食事をしたら1000バーツを軽く超えてしまうのです。
1000バーツといえば我々にとって1万円の感覚です。
1年ほど前、大層な店構えで超高級を売り物にした新しい店がオープンし、この店が全体のマーケットを押し上げた
ようです。
この店は日本からの輸入食料品を目玉にして、きわめたて高額なコース料理を出しています。
日本酒も品数を揃えていますが、一人当たり4000−5000バーツとなってしまいます。
店の外観からこの店はサービス主体で、料理はそれ程でもないのではと推察しましたが、これほど当たるとは思い
ませんでした。
サービスは1流、料理は2流で接待用の店ですが、私には次回は無いと感じました。
こんな店が他の居酒屋を勘違いさせて、あっという間に値段が2倍となったわけです。
飲み屋の置きボトルは「かのこ」でも1200バーツ「いいちこ」で1600バーツ、ウイスキーのシーバスリーガルや、
ジョニ黒が1600バーツの値付け。
それなのに「かのこ」や「いいちこ」の方が売れている。
客も客でしょ。
バンコクの駐在員は金融センターである香港やシンガポールと違います。
香港やシンガポールに駐在している日本人は、未だに大企業のエリートといわれる40歳台の人達がおり、3−5年で
帰任する。
彼らはこの間、人脈形成が仕事の大きな部分を占める。
帰任後にはそれらの人脈を有効にし、自身の昇格に結びつけることになる。
このため接待として使える一流の料理屋が和洋中を問わず存在する。
バンコクでは工場進出がそのほとんどを占めており、大企業ではそのほとんどが60歳に近い、或いは超えた社長と
それを補佐する人(帰国してもポストの無い人達)、工場の現場指導をする職人の日本人で占め、これからを嘱望
されるエリートが少ない。
また、多くは和食以外のものをあまりとりたがらない。
このため多くが日本居酒屋を利用している。
日本居酒屋の多くは日本人オーナーでタイ職人を使っているが、本人が料理のプロではないので所詮知れた料理に
なっている。
また、彼らは食材の納入ルートを持っておらず、日本食品を扱うスーパーで高い買物をしている。
そんな料理に1000バーツ以上も払わなくてはならないなんてと思うと腹が立つ。
今年の4月ごろFTAが締結され、日本食品が安くなるはずなのにバーツ高という理由でちっとも下がらない。
だから自分で作っている。
それでもバンコクにも良い料理屋が数店あります。
日本料理屋では昔からある「葵」と最近出来た「山葵庵」の2店。
「葵」は昔から食材ルートを持っているから安心ですが「山葵庵」は今後どうなるかちょっと不安があります。
中華では「Crystal Jade」、イタリアンの「Guist」、タイ料理では「Blue Elephant」などです。
客単価は2000バーツ前後ですが払う価値はあります。
07.12.03 泰介
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